バンクーバレポート(その6/Vancouver Curling Club編)

スイス戦の終了後、Vancouver Olympic Center隣接のVancouver Curling Club(VCC)を訪問する。オリンピック期間中、VCCでは Curling Clinic と題して、非会員の人にもカーリングの指導をするという企画を行っており、講師として長野五輪銀メダリストの Mike Harris を呼んでいる。まぁ、120CADくらいの参加費が必要なので、決して安くはないんだけど…。

駄菓子菓子、実際にVCCの建物(100年くらい歴史のある由緒正しいクラブらしく、由緒ある建物である。)を訪れて受付を済ませてみると、この時間帯の申込者は自分1名だったらしい。というわけで、Mike Harrisとマンツーマンでレッスンを受けることになる。参加費が安くないなんてつぶやいてマジごめんなさい。

何回かインターン・アウトターンの両方のデリバリーを観察して、3つ指摘事項があるとの事。

一つは、ストーンを持つ腕が真っ直ぐに伸びていて "extension" が無いこと。
肘を180度伸ばすのではなく、(例えば)160度程度に保っておいて、蹴り出したは良いがヒットのウェイトが足りないとか、ラインが微妙にずれてるとか、そういう場合の微調整をできるようにするのだとか。
確かに、翌日のゲームで本橋のテイクショットを観察してて、最後に押してパワーを与える時に、一度引いて押し出すという動作をしていたように思える。
日本のコーチングでは、基本的に腕を伸ばしてブレないようにすると教わったハズだけども、それも一長一短って事か。

Make Harris曰く「君は常に正しい方向・強さで蹴り出せるのか?私は無理だ。なので、微調整は必要なんだよ。」との事。確かにそりゃ無理な相談だ。

あと、インターンの時にストーンが身体の正面にきていないので、リリースの時に余分な斜め角度が付いてしまい、他の人よりも余分にカールするんじゃないか?と言われた。

そwwwれwwwかwww

確かに、試合で例えばhibiki-cさんの後に同じラインで自分が投げたら、自分のストーンが余分にカールしてガードに当たったりした事が何度かあった。そんな所に原因があったのね!!

何度かVCCの氷でデリバリーの練習をしてみて驚いたのは、本当によく曲がる事。体感で8-10フット程度は曲がったんじゃないかなぁ。山中湖で壁→中心のラインと同じくらい、右にも左にも曲がる。これだけ左右に自由自在だと、カマーを使った戦略も楽しいだろうなぁ…。たぶん、ロングガードにしなくても、3の位置にガードを置いても十分成立するだろうな。

最後のは、俺みたく背が高い人はグライダー(スタビライザー)を使うのは止めたほうがいいんじゃない?って話。スタビライザーを使うとデリバリーの姿勢が低くなるので、背が高い人だと重心の上下移動が大きくなり、バランスを崩しやすい。
そもそもスタビライザを使い始めたのって、TCCの講習会でO澤さんに「ブラシを脇で抱える形になってるので、背骨が"く"の字型になってる」との指摘があり、ブラシを抱えずに済むにはスタビライザーという事だったんだけど、今だとどうだろう。

あと、スイーピングについての新しい豆知識。
基本的にスイープは左右2人でやるけども、常にそれが正しいわけではないと。
2年ほど前から言われ始めた事として、ストーンから遠い方のスイーパーは、ストーンを動かしたい方向を掃く。つまり、より強くカールさせたいのであれば、ストーンから遠い方のスイーパーは曲がるべき方向を掃く。逆にカールさせたくなければ、進行方向を掃く。ブラシの位置が身体から離れると体重が乗らないので、例えば左側にカールさせるなら、スイーパー2人が左側に居てもOK。

確かこれは、園部さんに聞いたことがある。チーム長野でのアレンジかもしれないけど、カールの方向によって、左右どちらのスイーパーが石に近い方を掃くかを決めるとの事。カマーで攻める時なんかは1cmでも大きくカールさせたい訳だし、こういった差が、ゲーム展開上の違いに繋がってくるのかも。

あと、ウェイトを正しく出すには、ストップウォッチを使った練習が大切との事。
これは、やり方的に我々のやってきた方法で良かったようだ。ただ、内的感覚でバック−ホグ 3.xx 秒みたいのを身に付けるには、もっと練習の頻度が必要だわ。
んで、「これあげるよ」と、Make Harrisの使ってるストップウォッチをもらう。うわー、ありがてぇ!

一通りレッスンが終わった後、Goldlineのお姉さんが来ているとかで紹介される。
「俺のブルームはGoldlineだよ。軽くてすっげー気に入ってる。」と話したらなぜかハイタッチで挨拶。営業担当の人ってのは、あれくらいノリが良くないとダメなんだろう。きっと。

なんか色々貰って来た。メープルの葉のロゴが入ったブラシヘッド×2(1個はサイン入り)、長野五輪のポストカード、ピンバッジ。
極めつけは↓の写真。「恐れ多い」に対応する英単語のボキャブラリーを知らなかったので、ただオロオロするばかり。長野五輪の銀メダルを見せてもらって記念撮影(えへ)。

あと、夜になって女子のカナダ代表チームが練習に来るという事で『サイン貰っちゃいなよ』と急かされてこんな事に。
カーリングに使ってるジャージに Cori Bartell のサインを。

でも、大会期間中の代表選手に何を話しかけたらいいかなんて分かんないよ。
要約すると「金メダル目指して頑張って下さい。応援してます。」ぐらい(汗

VCCを後にすると、まだ19:00くらいだったので、午前中にちょっとうろついたYele Townという町で飯を食いにいく。この町並みは好き。もう少し日程に余裕を持って行けばよかった。試合が〜22:00とかだと、あまり普通のレストランは開いてないので、真っ当なレストランでの夕食はこれ一回じゃなかろうか(汗)

レストラン・パブ街のメニューを見ながら、美味しそうな物はないかと歩く。
非常に豊満な乳のお姉さんが調理しているグリル。いかんいかん、あれは紛い物だと自分に言い聞かせる。
ある店の前でメニューを見ていると「IKA SUGATAYAKI」とか「TEMPURA」とか書いてある。気になって聞いてみる。
「ここ、アジアンレストラン?」
「いや、タイ料理」
「でも、メニューの一部は日本料理に見えるんだけど」
「大丈夫、辛い味付けをしているから」
・・・辛い味付けをすればタイ料理になるのか・・・

でも、面倒臭くなったので、結局、このお店でお食事。
トムヤンクンとライス、ビーフグリルとデザートを注文。満腹になったので、デザートを注文していた事を忘れて店から出てしまったんだけど、店員さんが後で追いかけて来て、デザートをパック詰めにして持って来てくれた。好感度UP。早食いですまん。

そんなこんなで、宿に帰ると22:00頃。ちょっと睡眠不足と疲労の蓄積がハンパないので、日記の更新は諦めて寝る。