バンクーバレポート(その8/対デンマーク戦編)

2月23日 19:00 vs デュポン姉妹率いるデンマーク戦

今回の観戦ツアーの最後の試合であり、既に予選敗退が決まった日本代表チームにとっても、
バンクーバ五輪での最後のゲームである。バグパイプの演奏に先導されて入場してくる選手達。感慨深い。

試合前、カーラー各位のメッセージを書いた国旗をポールに結んでいたところ、実況席の小林さんに発見され、記念の一枚。残り試合も解説頑張って下さい。

試合開始。
1END/2ENDは静かな攻防。

試合が動いたのは3END。相手のスルーを契機に、テイクの打ち合いからガードを配してのゲームになる。だが、本橋さんのガードが僅かストーン半個ずれたのを見逃してくれず、ダブルテイクアウトで局面がひっくり返る。そして目黒さん、痛恨のスルー。
見てたのは横からだけど、ちょっと幅に対してウェイトが強かった気がする。
最後にドローをきっちり置かれて0−3。ありゃりゃ。

4ENDも、目黒さんの1投目でロールしたかったけども、反対方向に流れて3点ならず。
2点返して2−3。おっしゃまだまだ。

5END、途中で相手のダブルテイクアウトもあったり、タップバックがずれたりと、緊迫した場面もあったけど、目黒さんがポケットにきっちりフリーズを決めて、1点取らせて2−4。

6END、中継を見れなかった人にはイマイチラストショットの意図が分からなかったとの事。
これは目黒さん、完全に3点を取ろうとしたショットでした。本橋さんの2投目、自身の1投目が完全にティー前を支配できず、微妙にNo.2/4だったので、相手のNo.1を押して自分のNo.2を押し、相手はピールアウトさせつつ、押したNo.2で相手No.3をアウトにしようという作戦。
角度が完璧なら自分のNo.4は動かないので、もし自分がスキップでも同じ選択をしたと思う(成功するかどうかは置いておいてw)

ただ、ちょっとウェイトが強すぎて、自分のNo.4ストーンにまで接触してしまった。
ノーマルダウンくらいのウェイトで、微妙なアングルの調整はスイーパーに任せた方が上手く行ったかも。何はともあれ、同点に追いつく。4−4

7END、クリーンな展開を保ってブランク。綺麗にセンターガードを置けたんだけども、ロールする方向が逆になったり、ステイしたりと、なかなかジャムな展開を作れない。
まずいな...偶数エンドでの後攻を取られたぞ。

8END。石崎さんのショットは結果論ながら綺麗なダブルセンターガードの形になる。
先攻だけども結構期待できる…が、山浦さんのカマーが前を割ってしまった。
前後に距離のあるセンターガードだと、カマー合戦になりがちなので、スチールの展開もアリかと思ったが…。
山浦さん2投目、本橋さん2投目でダブルテイクアウトを狙うも決まらず。
この辺、微妙な、それこそ数cmのレベルのコントロールで相手に分があった気がする。
目黒さんのラストショット、観客席からの視点だと思わず『やめて!萌絵ちゃん!』と叫びたいくらいのアクロバティック 赤→赤→黄→黄 のアングル・レイズ・ダブルテイクアウト

でも、ここでうまく処理できないと、3点を献上した上に、10END先攻という展開。
『がんばれ!目黒!』と祈るが、無情にもアングルがついた当たり方で、相手のストーンを動かすことはできず。嗚呼、4−7

9END、そりゃ逃げにかかるよな…。
結局、折角の後攻も1点を取らされる形に。
ただ、2点スチールと、3点後攻と、難易度的には変わらないかも。
応援席も一段とボルテージが上がって『日本!』コール。既に試合の終わったカナダの応援団も混じって『NIPPON!!』コール。まるでホーム会場のようだ。

10END、なんとか2点を取りたいところだが....
あぁぁぁぁ、、、石崎さんの置いたガードが見事にウィックでずらされた。なんて憎々しい。
目黒さん、なんとか反転攻勢をしようとガードを置くが、ことごとくヒットで打たれて、刻々と残り少なくなっていくストーン。
本橋さんは相手ストーンの裏にカマーを試みるも、ヒットできる位置。目黒さんの2投目もカマーすることができず、これを弾かれたところでコンシード。残念!

これで、チーム青森のバンクーバオリンピックは終わり。
試合が終わった後、静けさを取り戻したシートの周りを名残惜しそうにぐるりと一週歩いて、観客席の各区画ごとに応援へのお礼をしていた目黒さん・本橋さんの姿が印象的でした。


観客席からは「ありがとう!」「胸張って日本へ帰って来いよ!」の声

外野からは色々とノイズが聞こえてくるかもしれないけども、チーム青森が全国のカーラーの代表として世界の競合と全力を尽くして戦ったという事は、なんら恥じることの無い事実。
3勝6敗(8位)という成績だったのは、勝負の時の運もあるし、100%の力でぶつかり合った結果の力不足という事もあるだろう。

誰のミスがどーのこーのとか、そういうのはコーチなり協会なりがきちっと分析して、今後の強化方針にフィードバックすれば良いだけ。
自分としては、わざわざ地球の裏側に出向いてまでその場の空気の中でゲームを見る事ができたというだけでも、素晴らしい経験だったように思う。

チーム青森/チーム日本に拍手!!