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農業政策

俺コメ

修士論文のテーマが農業経済学だったので、最後にこれは付記しておきたい。

民主党の所得保障政策は世紀の愚策で百害あって一利なし

農地の流動化が中々進まないので道半ばであるものの、基本的に自民党は、大規模で意欲ある農業経営体(農家を含む)に生産を集中させる事で、国内の農業基盤を強化する事を主張している。

一方、民主党は農家の赤字補填を基本とする『戸別所得保障制度』を打ち出している。アホか。

日本の農業基盤が脆弱なのは、戦後GHQの農地改革によって農地が分割された結果、規模の零細な農業経営体が大量に生まれた事に起因する。加えて、農地の資産価値は市街化区域に対して低く抑えられているが、場合によっては転用が認められ、農家に莫大な利益をもたらす事になる。しかし、農地転用の基準が不透明であるために「利益はでないけどとりあえず持っておく」的な行動を誘発し、農業生産に絶対必要な農地の集約が進まなかった。
(これに関しては、明治学院大学・神門善久教授の著作を参照されたい。)
(ちなみに、数年前まで農地法の縛りで企業は農地を所有できなかった。小泉内閣の時にこれを緩和、一定要件の下で株式会社が農地を保有できるようになった。)

そもそも、生産費用と販売価格の差額の補填なんて事をしたら、本来は淘汰されるべき水準の農家でさえも事業を継続できる事になり、一向に農地の集約が進まず、ますます高コストな農産物が生まれるのは目に見えている。
日本の農家で所得が1,000万円を越えるような農家はわずか1.5%で、大半は、農業だけで食っていくのは難しいレベル。

だが、選挙では数が多い方が強い。言い換えれば、これは農業政策ではなく選挙対策なんだろう。
税金で総額2.6兆円の買収とはまったく恐れ入る。
結局、税金と高価な農産物という事で、このコストは消費者が負担する事になるわけか。馬鹿馬鹿しい。

あともう一つ。
食料自給率という言葉に惑わされてはならない。
仮に、カロリーベースで100%の自給率を達成できたとしても、その生産には機械を動かす必要がある。
機械には石油が必要だが、日本では石油は出ない。牛や豚の飼育には飼料が必要だが、その原材料はどこから調達するのか?

都営地下鉄の売店で売っている雑誌『WEDGE(9月号)』に面白い記事が載ってあった。ロシアの農場を使って日本の技術で農産物を生産するという話。これは読んでおいて損はない話しだと思う。
兎に角、国内に目を向けるだけじゃなくって、友好国に日本資本で農業生産拠点を作るとか、色々と戦略的に取り組んでも良いと思うのだが…。

一時の人気取りのために、先人の築いた財産を国民が白蟻のように食い潰すのは全くもってコリゴリだ。