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雇用・労働問題

俺コメ

自民党は総花的だが、基本的には労働者の職業訓練および『70歳はつらつ現役プラン』が中心で、労働者の能力向上を通じた雇用機会の確保を狙っているように見える。
一方、民主党は製造業派遣の禁止と、最低賃金の引き上げ(\1,000/時)を明記しており、より弱者救済の色合いが濃い。
また、両党ともに、非正規労働者の正社員化を促進するとしている。

私からすれば、余計な事をしないという点で自民党案の方がベターである。

そもそも、労働市場にとってのここ20年間の最も大きな環境の変化といえば、中国・インドといった人口大国がグローバル市場に参入してきた事で、大きな流れとしては、これら地域の安価な労働力を使わなければ、各企業は価格競争力を維持できなくなったという事が挙げられる。

一方、正社員に対する身分保障が強すぎる(解雇・賃下げなど)ために、企業は既に雇用した労働力を削減する事がなかなか難しい。そのため、若年層の雇用を絞ってグローバルな環境変化への対応を行おうとした。それが就職氷河期ロストジェネレーションと呼ばれる世代である。
そして、そういった環境の中で、日本国内での雇用機会を維持するためのアイデアが労働者派遣であった。

つまり、問題の本質は正規雇用と非正規雇用の対立などではなく、正社員の身分保障という規制がグローバル環境の変化に対する企業の対応を阻害し、その結果、産業の空洞化を防ぐための回避策だったと考える事ができる。

数年前に議論になりかけたが、解雇・賃下げルールの明確化を言っている政党が無いのがまったく残念である。
非正規雇用者の待遇を正社員に近付ける努力も必要だが、一方で、正社員の"特権"を時代に即したものに変えていく必要もある。民主党を応援している労働組合などは基本的に正社員の利害を守るための組織だが、それで割を食っているのは若い世代なのだ。

民主党がこの政策を実行したら、間違いなく失業者は増え、正社員一人あたりの負担は増えるだろう。

ちなみに、最低賃金の \1,000/時 への引き上げはある方法を使えば雇用を損なう事なく可能と思われる。
それは、物価水準を1.5倍にして、1ドル=150円にする事。
ただし、円建て資産の価値を根本的に棄損する(が、国の借金は目減りする)ほか、
年金生活者の生活を直撃する事になるだろう。