@IT『IT業界不人気の理由は? 現役学生が語るそのネガティブイメージ』

IT業界不人気の理由は? 現役学生が語るそのネガティブイメージ
http://www.atmarkit.co.jp/news/200710/31/ipa.html

IPAフォーラムで、The Linux Foundationとの共催企画の裏番組だった人材育成セッションのレポート。実はどちらを見に行こうか迷ってたのだが、資料を見る限りグダグダ感が漂ってたのでヤメ。
しかし、記事を見る限り結構面白い議論があったようだ。

いくつか挙げられたIT業界のイメージは実にネガティブな内容だった。いわく「きつい、帰れない、給料が安いの3K」に加えて、「規則が厳しい、休暇がとれない、化粧がのらない、結婚できない」の“7K”というイメージだ。学生は、ほかの業界と比べて「IT業界は特に帰れない」というネガティブな印象を強く持っているようだ。

これに対して、TIS代表取締役の浜口氏

ネガティブイメージを突きつけられた浜口氏は、「必ずしも全員が3Kではない」と反論。岡本氏も「3Kの“帰れない”は、帰りたくない人が帰れないだけ。スケジュール管理の問題だ。私は40年間近くIT業界で仕事しているが、何が一番幸せかというと退屈している暇がないことだ。技術が進歩するにつれわれわれの仕事も複雑化してくるが、一生懸命追いかけていくだけでも退屈しない。いい仕事を選んだと思う」と自らの仕事を振り返りつつ、学生に反論した。

この反論は反論になってないんじゃ…。(´д`;)

さらに藤原氏はネガティブイメージについて「ハードウェア開発は迂回生産で生産工程が長いが、IT、特にソフトウェア開発は、頭脳とサーバとオフィスがあればよく、投入する物的資源が少なくて済む。あとは頭の勝負。そういう産業構造だから若い人の活躍の場が非常にある。(IT業界は)そこをもっと訴えていく必要がある」とIT業界の魅力をアピールした。

私はこの意見に賛成。理科系的な立場から見ると、他の業界と決定的に違うのは、数万円出せば買えるパソコンさえあれば、あとはアイデアと能力次第で幾らでも面白いことができてしまう。高価な実験設備なんてそうそう必要なわけでもない。

特にOSSの分野はその傾向が強い。コミュニティに出れば、会社での地位だとか年次だとか、その辺は一切関係なく"by name"で仕事ができるか否かという点だけ。野心家にとっては、名を馳せるチャンスを提供できる素晴らしい業界だと思うんだけどね。

あと、以前に就職活動に来た学生さん達の相手をした事があるが、若干がっかりしたのが、研修制度について云々とかなり多く質問されたこと。確かに研修で学べる事もあるけれども、世界レベルで通用するスキルというのは誰かに教えてもらうモノではないと思う。

その辺、IT業界に限った事ではないと思うけども、トップクラスで通用する何かを、少なくとも目指すという気概がなければ、10年後に『〜〜の世代は人材不良債権』と言われる事になりかねんだろう。いくら新卒学生の売り手市場と言っても、景気のサイクルに拠る所が大きいのだから、その辺は勘違いしてほしくないや。

なんか年寄りの愚痴じみてきたけれども。

私の意見としては、優秀な人材を集めるのに必要なのは、給与や労働時間といったモノではないと思う。マズローを持ち出すまでもなく、若い人のモチベーションを刺激するに足るタフな仕事をちゃんと提供できるかどうかではないだろうか。みんな最初から優秀なワケないんだから、そこで奮起するかどうかというのが分水嶺なんだと思う。

努力せずに金を稼げる業界が魅力的だというのなら、そんな業界はクソクラエだ。