One Laptop Per Child

海の向こうでは、OLPC(One Laptop Per Child)というプロジェクトがあって、発展途上国の子供たちにラップトップ型PCを配布して、情報格差(Digital Divide)の解消に役立てようという試みが進行している。

これの最大のキーは製造コスト。別名$100PCプロジェクトとも呼ばれていて、どれだけ安価にマシンを製造・流通させるかという点がポイントになる。
下のURLは、OLPCプロジェクトのマシンのプロトタイプが出来上がったという記事。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/22/news028.html

こやつのスペックというのは以下の通り

CPU: AMD Geode GX-500@1.0W(366MHz) 
Memory: 128MB DRAM
Storage: 512 MB SLC NAND flash
OS: Linux (2.6.18ベース?)

OSがLinuxで、ストレージがNAND Flashとくれば、JFFS2の出番となるわけで、自分の作ったコードがもしかして全世界数百万人の元へ?と思ってしまうのである。
カーネルのソースコードは公開されているので、ダウンロードしてOLPC用のコンフィグを確認してみた。config-olpc-customというファイルがそれっぽいので覗いてみると…。
CONFIG_JFFS2_FS=y
CONFIG_JFFS2_FS_DEBUG=0
CONFIG_JFFS2_FS_WRITEBUFFER=y
CONFIG_JFFS2_SUMMARY=y
CONFIG_JFFS2_FS_XATTR=y
CONFIG_JFFS2_FS_POSIX_ACL=y
CONFIG_JFFS2_FS_SECURITY=y

# CONFIG_JFFS2_COMPRESSION_OPTIONS is not set
CONFIG_JFFS2_ZLIB=y
CONFIG_JFFS2_RTIME=y
# CONFIG_JFFS2_RUBIN is not set
お!ちゃんと入ってる!(゜▽゜;)
しかし、SELinuxはコンフィグされてない…。まだ正式に採用するかどうかの意思決定ができてないのかな。

ちなみに、本家サイトは http://laptop.org/
別に私のフトコロにお金が入ってくるわけではないが、自分の貢献がまわり回って、全人類に対して意義の大きいプロジェクトに採用されるというのは非常に嬉しいものである。

[追記]
こやつの特性として

  • 同一構成で大量に出回る
  • なので、0-day attackは超脅威
  • 常に最新のセキュリティFixを適用できるとは限らない運用環境
  • リソースが限られている。HDDも持っていない

というような、組込み向けの特徴がすごく尖った形で出ている。
SELinuxが採用されるのなら、どういったポリシーが入っているのか楽しみ。
(普通に考えて Reference Policy というのはあり得ん)

[追記その2]
http://www.laptop.org/download.en_US.html
ピンチになった時は、本体脇のハンドルを回して発電するらしいです。
さすが省電力設計。